近年、沖縄県内の建築単価高騰の影響もあってか、中古物件の購入は年々増加しています。購入後にリフォームすることで、新築よりも幾分費用を抑えることができます。ただし、それは理想空間に対するこだわりに加えて、物件の築年数によって大きく異なります。

築年数によってどのような修繕箇所があり、リフォームにかかる費用はどれほどなのか?今回は、築5年や築10年など築年数に分けて説明します。

◆中古物件のリフォームはどれくらい費用がかかるのか?

中古物件のリフォーム費用は、内容によって大きく異なります。例えば、一般的な例をあげますと玄関・階段、キッチン、浴室、洗面所、トイレ、寝室、リビング、窓や外装などが主なリフォーム内容です。これらに加えて物件によっては、それぞれの増改築も可能になります。建物・空間を総合的に考える新築に比べ、気になる場所を個別で検討すると、どのリフォームも魅力的に感じるでしょう。そして、その全てをリニューアルするとなると、新築よりも費用がかかってしまうケースも少なくありません。

また、実際の費用は物件によっても変わるので、見積りをいただくまで分かりません。弊社や建築会社に、一度ご相談のうえリフォームのおおよその費用を出してもらうことで、よりイメージしやすくなるでしょう。

◆築年数別リフォーム費用の目安

築5年

築5年程度であれば、まだ外観も内装も劣化が少なくキレイな物件です。目立つところで言えば、クロスの汚れであったり、畳や床が傷ついていたりすることがあります。それらを取り替えるとなると、5万円から15万円ほどが妥当です。

オーナーのケアにもよりますが、まるで新築のようなケースもあります。そのような物件では大幅リフォームではなく、ハウスクリーニング程度の費用として、3万円から10万円程で済むでしょう。

ただし、築5年のような築浅物件は数が少なくなかなかお目にかかることができません。築年数が経過した家よりは高いことも多いため、全体的に見ると新築とあまり変わらないとも言えます。

築10年

築10年の物件では、クロスの全面張り替えが必要なケースが多いです。費用の目安としては、張替部分が100㎡だとすると、50万円程度。(6畳の部屋に必要なクロスは、壁が約30㎡・天井は約10㎡、計約40㎡です。)

10年も経過すると住宅は劣化するので、傷や汚れ、風化も目立つようになります。

クロスの他に外壁や屋根など、塗装がダメージを受けていることも少なくありません。もしそのような場合は、修繕費としては100万円程度を考えておくと良いでしょう。

築15年

家庭を持ち、子供達の成長とともに過ごすと15年という月日はあっという間に経過するでしょう。外観はまだキレイに見える物件も多いのですが、築15年となると、様々な個所の劣化が考えられます。

クロスはもちろんですが、特に水回りの設備が劣化している場合が多いです。給湯器の寿命がおおよそ15年ですので、交換には約10万円ほど費用がかかってしまいます。また、ユニットバスも同様です。ユニットバスのおおよその費用としては80万円から100万円ほど必要になるでしょう。加えて、洗面台に10万円、キッチンに60万円~100万円ほどかかる可能性もあります。

トイレ交換も考えるとさらに10万円ほど必要で、総合的には300万円~500万円ほどかかる場合もあります。毎日使う水回りは劣化も早く、中古物件では最も生活感を感じる箇所でもあります。そのため、それを取り除くためにリフォームする方が多いのです。

水回りのリフォームの際には、新しい機能の付いた設備を選ぶと費用がさらに高くなるので注意が必要です。

築20年

子どもが生まれて成人するまでと考えると、築20年の物件はとても長い時間が経過していると言えるでしょう。子どもたちも成長し、島外で離れて暮らしている場合も多いことから、思い切ったリフォームやリノベーションを考える方も多いです。

実際に築20年の経年では、内装だけでなく外壁・屋根などもダメージを受けていますし、水回りも劣化していきます。

毎日通るような廊下などフローリングもダメージを受けていることが多くなり、傷や劣化による凹みも出てくるでしょう。修繕とリフォームが必要となり、費用も大きくなりがちです。しかし、このクラスの築年物件は、購入価格も安く済む場合が多く、新築と比べると3割から5割ほど安くなることがあります。

どれだけリフォーム費用を充てることができるのか、また今後のメンテナンス頻度も考えながら予算を明確にしておきましょう。

築25年

築25年の物件では、フローリングの張り替えはほぼ必要になるでしょう。逆に、フローリング張り替えの目安が25年であるということも言えます。ただし、フローリング張り替え費用の目安としては12畳のリビングで20万円程度が相場と言われており、物件全体のフローリングを張り替えると100万円以上かかる可能性が高いです。

◆リフォームのポイント

中古物件のリフォームは、物件自体のこれまでのメンテナンス状況や内的・外的要因によって内容も金額も大きく異なります。これまでどのような修繕を行ったのか、また、どのような人たちが住んでいたのか知りえる情報を確認する事をおすすめします。

築年数の古い物件で新しく生活を始めるとなると、当然ながら経過年数がさらに長くなっていきます。築5年や築10年であれば細かく修繕を重ねていけますが、20年や30年となると劣化が目に見えてくるので、どのレベルのリフォームが必要なのかをしっかりと考えて計画していくことが望ましいです。

中古物件の購入、その後のリフォームをお考えでしたら、現状と計画を踏まえながら弊社もしくはリフォーム会社に相談してみましょう。