新型コロナウイルスの影響により、経済的に困窮し、住居を失う可能性のある入居者が今後増加していく可能性が考えられます。

先日のニュースで、沖縄県内の新規高卒予定者の求人倍率が6月末現在で0.45倍(速報値)と発表されました。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/607905

例年と比べて事業者からの求人が大幅に減少していると同時に、雇用の継続にも影響が出るのではと思われます。

人々が生活していく中で、生活費における支出の大きな割合を占めるのは家賃でしょう。その支出を支援する制度を紹介します。

それは、平成27年から始まった「生活困窮者自立支援法」に基づく国の制度として、家賃相当額を支給し、住居と就労の機会確保に向けた支援を行う「住居確保給付金」です。

新型コロナウイルスの影響により、これまで離職又は廃業者のみが対象でしたが、休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況で家賃の支払いが困難になった方々も対象となっています。つまり仕事に就いたままでも受給できるようになりました。

住居確保給付金が支給される期間は、原則3か月間としていますが、就職活動を誠実に行っている場合は3か月延長が2回まで可能となり最長9か月までとなっています。

国が定める支給の対象は

  • ・離職・廃業後2年以内の者、給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合
  • ・離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
  • ・世帯の預貯金合計額が各市区町村で定める額を超えていないこと
  • ・誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

石垣市における支給の要件としては下記の通りです

  • ①離職・廃業から2年以内 又は休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある方
  • ②離職前に、主たる生計維持者であった方
  • ③就労能力及び常用就職の意欲がある方
  • ④離職等により経済的に困窮し、住宅を喪失している方又は喪失するおそれのある方
  • ⑤収入要件として定められた収入基準額以下であること
  • ⑥資産要件として申請時の世帯の預貯金合計額が、基準額×6(ただし100万円を超えない額)以下であること
  • ⑦職業訓練受講給付金など離職者に対する類似の給付を受けていないこと
  • ⑧申請者及び申請者と同一の世帯に属する者のいずれもが、暴力団員でないこと
  • ⑨申請日時点で生活保護を受給していないこと

石垣市の収入基準額と支給家賃の上限額

単身世帯

 月額収入 78,000円 以内の方 / 支給上限家賃 32,000円

2人世帯

 月額収入 115,000円 以内の方 / 支給上限家賃 38,000円

3人世帯

 月額収入 140,000 以内の方 / 支給上限家賃 41,000円

◆他の支援について

新型コロナウイルスに伴う各種支援は、住居確保給付金のみならず、緊急小口資金、総合支援資金、特別貸付、雇用調整助成金など多岐に渡りますので詳しくは各ホームページでご確認ください。

石垣市新型コロナウイルス感染症各課対応問答集

沖縄県の支援策

経済産業省の支援策

今回紹介した住居確保給付金は、入居者の家賃支払いが困難になると建物オーナーへの負担が大きくなってしまいます。今後の先行きが見えないだけに、支援策が増えたりや要件の緩和も考えられますし、両者にとって有用な制度であることは間違いないでしょう。

現在、支給要件に該当しない方でも家賃の支払いが困難な方は、一度、市役所へのご相談をおすすめいたします。