親から相続した家をリフォームして住んでいるという方も少なくないと思います。不動産の価格内訳は土地と建物ですので、リフォームで建物代や内装費がかかったとしても、土地代の負担なくマイホームを手にできることは、将来の人生設計において大きなアドバンテージと言えます。

また、親から相続した家はご自身や配偶者が幼少の頃に住んでいた家であることが一般的ですので、幼少時代の思い出や両親の面影と共に日々を暮らすことができるメリットはお金に変え難いものでしょう。一方で親から家を相続したものの様々な理由からご自身が住むことができず、管理や売却などもせずに放置されているケースが石垣島のみならず県内、国内で多いのも事実です。「家主が那覇に引っ越した」などの理由から古い民家が空き家のままというケースも少なくありません。

資産という観点から土地や建物を見た際、建物は古くなるほど様々なリスクが生じます。どのようなリスクがあるのか?また売却時期を検討するにあたってのポイントを解説します。

◆空き家を持ち続けるリスクとは?

「既に持ち家を所有している」、「相続者が島外に居住している」などの理由で相続した家に住めないことはよくあります。「それなら売却を!」と考える方がいる一方で、「思い出を手放したくない」、「何から始めてよいか分からない」などの理由から放置されるケースが少なくありません。

人の住まない建物が放置されることは経年と共にリスクが生じます。居住の有無に関わらず固定資産税はかかりますし、いざ売却という段階で建物の手入れをすると予想以上の修繕費がかかることもあります。土地に関しては地価の変動がありますので、なるべく地価が高い時に売却したいとの気持ちも分かりますが、建物に関しては築年数を重ねるごとに資産価値は低下してしまいます。

建物の資産価値は、木造や鉄筋コンクリートなど構造による耐用年数によって異なります。建物構造が木造の場合、耐用年数は22年です。建物の性能が上がってきていることもあり20年以上経っても快適に暮らすことができる家は多くあります。ですがやはり、一般的には築20年を超えると「古い建物」という認識になってしまいます。

国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の「マンションと戸建の資産価値」では、木造戸建て住宅の資産価値は築10年でおよそ半分に、築20年を超えると新築時の0~10%まで下落するとされています。建物の資産価値を考慮した場合、売却を検討しているのであれば早い段階で売却することが得策です。

参考データ:中古住宅流通、リフォーム市場の現状-国土交通省
※ 該当データは11ページ

◆売却時に発生する費用はいくらくらい?

不動産の売却時にも税金やその他の費用が発生します。それぞれの費用がどのくらい必要なのかを事前に正しく把握することで、安心して売却に臨むことができます。売却時に発生する費用を以下にご紹介いたします。

まず、発生する税金としては、

・売買契約書に貼る「印紙税」

売却価格1,000万円超え5,000万円以下:軽減税率適用後1万円
売却価格5,000万円超え1億円以下:軽減税率適用後3万円

・抵当権抹消にかかる「登録免許税」

1不動産につき1,000円(対象不動産に抵当権が設定されている場合)

・譲渡益にかかる「譲渡所得税・住民税」(被相続者の購入時金額より相続者の売却価格と必要経費の合計金額が高い場合)

所有期間5年以下:所得税率=30.63%、住民税率=9%、合計税率=39.63%
所有期間5年超:所得税率=15.315%、住民税率=5%、合計税率=20.315%

が挙げられます。

また、税金以外の費用として仲介手数料、司法書士報酬、リフォームやクリーニング、撤去費用などが発生します。一般的に仲介手数料は売買価格が400万円以上の不動産の場合、「売買価格×3%+6万円+消費税」で計算できますが、それ以外の費用については、物件の状態により様々です。

築年数が比較的浅く建物の資産価値を見込める場合でも、高い価格で売却するにはお金をかけてメンテナンスを施す必要がありますし、放置すればするほど修繕費がかさみ無駄な出費に繋がるばかりか、建物の資産価値も下がってしまいます。売却にあたりベストなタイミングを計ることはとても難しいですが、やはり結論は「早い段階での売却」となるでしょう。

その他、税金の特別控除や軽減税率の特例など売却にあたり把握しておきたいことは色々ありますが、売却の最初の一歩は査定から始まります。売る方も買う方もご満足いただけるよう努めてまいりますので、是非、物件売却の際には弊社までお問合せください。