床の段差にスロープを設置したり、階段に手すりを設けたり。近年では高齢化社会に伴って自宅をバリアフリーにリフォームする方も増えつつあります。とくに沖縄は5人に1人が65歳以上と超高齢化社会が進んでおり、家庭内で起こりうる事故のリスクを減らせることから、バリアフリーへのリフォームが需要を高めているのも事実です。

この記事では、バリアフリーのリフォームはどのようなポイントで行うのか、リフォームに伴う補助金などについてもご紹介します。

◆バリアフリーでリフォームをすべき工事ポイント

高齢者の身の回りを快適にするためにリフォームをする場合は、主に以下のポイントでバリアフリー工事を行います。

  • ・手すりの設置
  • ・スロープの設置
  • ・設備の変更
  • ・ドアの交換
  • ・間取りの変更
  • ・寒暖差の改善

実際にバリアフリー化でリフォームをする際に行う工事内容を見ていきましょう。

<手すりの設置>

バリアフリーのためにリフォームをする場合は、手すりを使う人の体格や利き手などに合わせて手すりを設置しましょう。たとえば、「階段」「玄関」「洗面・浴室」「トイレ」などでは利き手側に手すりを設置するといった工夫です。中でもトイレや浴室の手すりは立ち座りの繰り返しを補助でき、転倒による怪我の防止に役立ちます。

さらに、浴室内にバスと隣接する形で腰掛けられるスペースを設ければ、座ってから浴槽をまたぐ動作により転倒事故を防ぎやすくなります。

また、トイレを快適に行えるかどうかは高齢者の健康維持にも直結するため、トイレの手すりはリフォーム時に優先的に対応したいバリアフリーだと言えるでしょう。

<床材やスロープの設置>

段差の解消はバリアフリー化を目指すリフォームで常に意識したいポイントです。わずかな段差でもつまずいて大怪我に繋がってしまう可能性もあるため、極力段差そのものを無くす必要があります。

たとえば、「浴室」「玄関」のほか、「トイレ」「リビングやキッチンなどの床材」「廊下」といったスペースが変わる際のちょっとした段差にも注意しましょう。足が不自由になってしまうとバスタブに入るのも一苦労になるため、乗り越えやすい高さになるまで浴室の床を緩く底上げするのも選択肢に上がります。

ただし、トイレや浴室、キッチンといった水回りに使う床材やスロープは、濡れても滑りにくい材質を使うことをお忘れなく。

<設備の変更>

中古物件をはじめとして、トイレが和室だったり、浴槽に高さがあったり、またぐ動作やかがむ動作が求められる古い設備の場合はリフォームで一新するのも選択肢に上がります。その際に、バリアフリーとして快適性を求めるため、キッチン設備も食洗機を設置するなど家事負担の軽減を図るのも1つのポイント。

年式の古い設備がNGという訳ではなく、「どれだけ動作がスムーズにできるか」を着眼点にリフォームすることがベストです。

<ドアの交換>

高齢化に伴う筋力低下で、「今まで使っていたドアが思うように動かせない」と頭を悩ませる方も少なくありません。ドアの開閉に一苦労していると外出もおっくうになり、次第に自宅へこもりがちになってしまうこともあります。

小さな積み重ねによる心身への悪影響を防ぐため、軽い力でスムーズに動かせる引き戸タイプへリフォーム工事するケースも多くなっています。

<間取りの変更>

もし可能であれば、バリアフリー化のリフォームに伴って間取りそのものを変更してみるのもポイントです。たとえば、寝室や居間とトイレを近づけたり、キッチンなどの家事動線を短く設けてみたり。全体的な間取りをコンパクトに抑えることで、高齢者の方が立ち回りやすくなるメリットがあります。

とくに、介護の面からも「近くて使いやすいトイレ」の存在は重要です。常日頃から自力でトイレに行ける環境へリフォームするだけでも介護予防に繋がります。

<寒暖差の改善>

「暖かい居間から寒いトイレへ」そんなちょっとした寒暖差で高まるリスクが”ヒートショック”です。「暖かい場所」と「寒い場所」の行き来など、急激な温度差を受けて血圧が上下し、結果として心臓や血管の疾患を引き起こす症状を”ヒートショック”と言います。

特に高齢になるとヒートショックが原因で命を落としてしまう方も少なくないため、高齢者向けのバリアフリーを目的としてリフォームする場合は、寒暖差を改善することも視野に入れましょう。

高気密住宅で室内全体の温度を統一したり、断熱材を導入したり。トイレには内窓を設置して、フロア全体が暖まる暖房器具の導入などの検討もおすすめします。

◆バリアフリー向けリフォームは助成金がある

「バリアフリー向けリフォームを行いたいけどお金の工面が心配」という場合は、国や各自治体の助成金を利用してみることをおすすめします。リフォーム向けの代表的な助成金では「高齢者住宅改修費用助成制度」などがあげられます。

また、助成金が貰えるわけではないものの、バリアフリー向けリフォームを行うことで一部減税措置が受けられる「住宅特定改修特別税額控除」といった制度もあります。

さらに、地方公共団体や自治体によって追加で助成金を受けられるケースも。沖縄における住宅リフォームの補助金について気になる方はこちらをご参考下さい。

制度を利用すればリフォームを通して掛かる総合的な費用を抑えられるため、各条件をしっかりとチェックしておきましょう。

◆中古物件をバリアフリーにリフォームするのがベスト?

バリアフリーを目指してリフォームする時、近年では中古一戸建てを購入してからリフォームする方も多くなっています。その背景としては、「割安で購入できる」「リフォームがしやすい」「希望エリアの物件を探しやすい」「すぐに入居できる」「購入時から資産価値が下がりづらい」などなど、さまざまなメリットがある点が理由でしょう。

特に、国の働きかけによって中古一戸建てを普及させようとする動きが強まっており、「中古物件の購入」あるいは「改修・リフォーム」によってより多くの補助制度を利用することが可能です。

<中古物件でバリアフリー化にリフォームすると得られる助成金>

中古物件をリフォームする場合に限り得られる助成金があります。中古住宅を購入後、1年以内に特定条件下のもとリフォームをすれば、最大で100万~300万円の助成金を受けられる「長期優良住宅化リフォーム補助金」が代表的です。

また、新築・中古物件どちらにも適応される「すまい給付金」など、各自治体をはじめさまざまな助成金を受けられる制度があります。

<一部の助成金は併用不可能>

中古物件のバリアフリー化など、リフォームに対して出される助成金には、「自治体から出される助成金」と「国から出される助成金」の2種類があります。その際、自治体の支援制度の財源に国の補助金が充当されていた場合、「国の助成金」と「自治体の助成金」を併用することはできません。

つまり、財源が同じ助成金の場合は原則として併用不可になるためご注意下さい。

<高齢者にとってバリアフリーのリフォームは最優先事項>

トイレや浴室をはじめ、玄関から階段までさまざまなシーンでバリアフリー化が重要視されています。特にご高齢の方は、ちょっとしたつまずきが大怪我に繋がるケースもあるため注意が必要です。

もしバリアフリー化のリフォームを考えている場合は、助成金が利用できるかどうかチェックしておくことをおすすめします。助成金を利用すれば数百万の工事費用を抑えられるため、少ないコストで満足の行くバリアフリー化を目指すことが可能です。

その際には、中古物件の買取からリフォームを検討するのも1つのポイント。中古の戸建て物件をリフォームすると高額の助成金を受けられるケースも有るため、コストパフォーマンスに優れたリフォームを実現しやすくなります。

リフォームを前提とした中古物件のお求めは弊社、住宅情報センター石垣島店まで是非お問い合わせください。