近年では理想の条件をもとに新築物件を建てるよりも、中古物件をリフォーム・リノベーションしてマイホームを賢く手に入れる方が増えつつあります。中古物件のリフォームやリノベーションなら、特定の条件を満たすことで助成金を得られるため、理想の物件をコスパよく入手できる点がメリットです。

その際、「長期優良住宅」として認定されるように配慮すれば、税控除などさらなるメリットを得られるのをご存知ですか?

この記事では、長期優良住宅とはなにか、認定を受けるメリットや条件をご紹介します。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、文字通り長期にわたって快適に住める優良住宅のことを指します。2009年6月4日に定められた「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」をもとに、一定の基準をクリアした住宅が「長期優良住宅」として認定を受けられます。

長期優良住宅に認定されると、助成金が得られたり税控除を受けられたりとさまざまなメリットがあるため、新築物件の建築やリフォームをするときは「長期優良住宅」の認定を受けられるよう手順を踏むのもポイントです。

長期優良住宅の認定に必要な条件とは

国土交通省によると、長期優良住宅に認定されるために必要な条件は主に以下のとおりです。

  • 1.住宅の構造および設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていること。
  • 2.住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
  • 3.地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること。
  • 4.維持保全計画が適切なものであること。
  • 5.自然災害による被害の発生の防止、軽減に配慮がされたものであること。

引用元:長期優良住宅 – 国土交通省

より具体的な条件については国土交通省より詳細な条件が発表されていますのでそちらをご参照ください。

リフォームで長期優良住宅の認定を受けるときに得られる助成金

長期優良住宅では税控除などさまざまなメリットがありますが、中古住宅をリフォームやリノベーションで様変わりさせるときは、ほかの助成金もチェックしてみるのをおすすめします。

  • ・三世代同居に対応した改修工事をする(浴室やキッチン、トイレなどを2つ以上複数箇所あるリフォームなど)
  • ・子育て世帯向けの改修工事をする(事故の未然防止や不審者の侵入を防ぐ防犯対策など)
  • ・機能性を向上する改修工事をする(省エネ設備の採用、外壁や屋根の張替え・塗装、建物のバリアフリー化など)

それぞれのポイントを抑えてリノベーションを行えば、長期優良住宅の認定による税控除等のメリットに加えて、中古住宅リフォーム向けの補助金を得られる可能性があります。

長期優良住宅に認定されるメリット

長期優良住宅にはさまざまなメリットがあるため、新築物件を建てるときは認定を受けられるよう、着工前に申請することをおすすめします。長期優良住宅で得られるメリットは以下のとおりです。

  • ・所得税のローン控除・金利優遇
  • ・各減税
  • ・登録免許税率の引き下げ
  • ・固定資産税の減税期間延長
  • ・地震保険の料金割引
  • ・地域型住宅グリーン化事業で補助金

所得税のローン控除・金利優遇

長期優良住宅に認定されると、最大で13年の間、住宅ローン残高の1%分が所得税から控除されます。ローンの限度額は5,000万円までですが、一般的な条件(4,000万円)に比べると優遇されている点が特長です。

また、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」などの住宅ローンにおいて、返済に掛かる金利も優遇されます。

各減税

長期優良住宅なら、不動産取得税の控除額を従来の1,200万円から最大1,300万円まで引き上げられます。また、投資型減税も受けられる点がメリットで、自己資金で長期優良住宅を購入した場合は、基準を満たすためにかかった費用の10%(対象限度額650万円)を所得税から控除できます。

最大控除額は65万円まで受けられますが、投資型減税は1度のみしか受けられません。

登録免許税率の引き下げ

長期優良住宅なら、所有権移転登記や保存登記といった登録免許税の税率を引き下げられます。一般的な住宅だと、保存登記が0.15%のところを、長期優良住宅なら0.1%で受けられます。また、移転登記も0.3%→0.2%と減税措置を得られる点がメリットです。

固定資産税の減税期間延長

長期優良住宅なら、固定資産税の減税期間も延長されます。一般的な戸建てが3年、マンションが5年のところ、長期優良住宅は戸建てが5年、マンションなら7年まで延長することが可能です。

ただし、住宅面積が50平米~280平米以下などいくつかの条件が設けられているためご注意ください。

地震保険の料金割引

長期優良住宅のメリットとして、地震保険の料金割引を得られる点は特筆すべきポイント。認定条件にも含まれている耐震等級のランクに応じて、20%〜30%まで割引を受けられます。

地域型住宅グリーン化事業で補助金

国土交通省から認められている特定の工務店を経由して、木造住宅などの条件を満たした状態で長期優良住宅を建築すると、地域型住宅グリーン化事業として最大で110万円の補助金を得られる可能性があります。

長期優良住宅の認定を受ける際のデメリット

長期優良住宅の認定を受けるためには、リフォームの場合、着工する前にインスペクション(住宅診断)を行う必要があります。それに加えて、建築プランの設計や住宅性能評価機関への書類申請が必要です。

技術的な審査に問題がなければ、次は所管行政庁などに長期優良住宅の認定申請書や維持保全計画を提出しなければなりません。手続きには1ヶ月ほどの時間が掛かってしまうケースもあるため、長期優良住宅の認定を受けたい方はできる限り早めに申請する必要があります。

これは言い換えれば、建築物の着工から完成まで、一般住宅よりも1ヶ月ほどの日数が追加で掛かってしまうということ。

また、書類等の作成では、工務店や建設会社に書類申請を代行してもらうケースが大半です。その手数料を含め、所管行政庁の審査費用などを含めると、30万円ほどの手数料が掛かるケースがあります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業も注目を集めている

従来の長期優良住宅を、リフォームで認可を受ける方に向けた「長期優良住宅化リフォーム推進事業」が注目を集めています。近年では新築物件よりも中古物件を再利用しようという働きが高まっており、日本政府も中古物件のリフォームやリノベーションに補助金を出している点は見逃せません。

新築物件を長期優良住宅として建築するよりも、中古物件を「長期優良住宅化」としてリノベーションしたほうが総合的な費用を抑えられる傾向にあります。

基本的に長期優良住宅はメリットが多いため、長期優良住宅化のリフォームを始めようと考える方も多いでしょう。そのときは、中古物件購入の助成金や、「三世代同居・子育て・バリアフリーなどに対応した改修工事」による補助金を最大限に有効活用すれば、コストパフォーマンス重視で理想のマイホームを入手することも可能です。

まとめ

長期優良住宅とは、長期にわたって快適に住める優良住宅のことです。新築物件を建てるときは、工事の着工前から申請手続きをするなど、いくつかの手間が掛かってしまいます。しかし、ひとたび長期優良住宅に認定されると、税控除などさまざまな金銭的メリットがあるのも事実です。

そんな中、近年では中古物件の需要が高まった背景から、中古物件の長期優良住宅化リフォームも人気を集めています。三世代同居や子育てリノベーションを含めてリフォームを行えば、さまざまな補助金を得ることも可能です。

もし、「理想のマイホームをコストを抑えて入手したい」とお考えの方は、ぜひ弊社スタッフまでお気軽にお声がけください。ご希望に沿った立地条件の物件をお探しいたします。