既存の建物をリフォームする際に、増改築を考えている人も少なくありません。しかし、既存の建物を建て増してリフォームする際はいくつかのルールを守る必要があります。

「中古の戸建て物件を購入して自由にリフォームしよう」と思っても、法律によって希望のリフォームができない可能性も。

この記事では、リフォームにはどのような制限があるのか、必要な準備等をご紹介します。

リフォームの制限とは

中古の戸建て物件を購入してリフォームする際、間取りを変更するだけでなく、土地を有効活用するために増改築を考えている人も少なくありません。

しかし、どのような条件でも増改築ができるとは限らないのをご存知ですか?特に、増築リフォームは法的に定められた条件をクリアしなければ、リフォームできない可能性があります。

増築と改築の違い

中古物件をリフォームするときには、大きく分けて「改築」と「増築」の2つの選択肢があります。改築は既存建物の骨組みをそのままに、間取りを変えず内装や外観に手を入れる工事です。

一方で増築は、土地内に建物を広げ、居住環境を広く取るリフォーム工事を指します。つまり、増築は床面積が増える一方で、改築は床面積が増えません。この差がリフォームの制限に大きく関わりを持ちます。

増改築リフォームは建築基準法によって制限がある

増改築するにはいくつかの点に注意する必要があります。特に、増築リフォームでは下記の制限に触れてしまう可能性もあるため、意識する必要があります。

  • ・建ぺい率
  • ・容積率
  • ・北側斜線制度
  • ・道路斜線制限

建ぺい率

建ぺい率は、敷地面積に対して、法的に認められた建築床面積のことを指します。たとえば、100平方メートルの敷地に増築する際、認められた建ぺい率が60%なら建築床面積は60平方メートルがマックスです。

建ぺい率の基準値を超えた増築リフォームは、建築基準法違反の制限に触れてしまいます。

容積率

容積率は、敷地面積に対して、法的に認められた総床面積のことを指します。建ぺい率との違いは、”総合的な床面積”として、2階や3階などの床も計算の対象となる点です。

100平方メートルの敷地に増築する際、認められた容積率が60%なら、1階から2階などすべてを含めて60平方メートル以内に収めなければなりません。

北側斜線制度

北側斜線制度は、建物が日光を遮ってしまわないよう、高さや屋根の傾きに関する法令です。建物の高さなどが増築によって変更される場合、条件制限に触れないか計測を行う必要があります。

道路斜線制限

道路斜線制限は、建物が道路の日当たりや風の通りを妨げないよう、建物の高さに制限を設ける法令です。実際の道路斜線制限は周辺地域等によって大きく異なるため、建物の高さや位置を一概に決めることができません。

おおよその目安として、増改築リフォームを考えている建物の周辺物件を参考にしてみると、道路斜線制限に触れない範囲を把握しやすくなります。

内部設備ならリフォームの制限はない?細かい違い

増改築リフォームする際は、さまざまな条件で制限がかけられている可能性があります。とはいえ、戸建ての中古住宅内部にある設備なら法令に縛られず、ある程度のリフォームを行うことが可能です。

中古住宅の内部設備ならどこまでリフォームできるのか、自由度についてご紹介します。

水回りのリフォーム

中古住宅の水回りリフォームは、基本的に成約がなくいつでも自由にリフォームできます。キッチンやトイレ、お風呂といった水回り設備を新しく作り直したり、設置位置の間取りを変更したりすることが可能です。

ただし、大きな間取り変更には骨組みに悪影響を与える可能性もあり、改築リフォームが行えない可能性があります。

電気設備周りのリフォーム

近年ではIT家電を始めとして、さまざまな電気機器の利用が多くなっています。そのため、「コンセント周りの設備を増やしたい」と考える人も少なくありませんが、それらは簡単に増設することが可能です。

電気工事士等の有資格者以外は工事してはならない決まりがあるものの、電気設備周りのリフォームに制限はありません。基本的には、専門家へ委託すれば問題ないといえます。

間取りのリフォーム

中古の戸建て物件などでは、「間取りを変更したい」といったリフォームもよく耳にします。しかし、建物によっては間取りの変更が不可能な場合も。建物の強度にどのような影響を及ぼすのか、専門家の意見をもとに柱や梁の存在を注視する必要があります。

また、窓などの増設リフォームも、建物の構造に影響を与えてしまいます。そのため、窓や仕切りを始めとした間取り等のリフォームは、いくつかの制限にご注意ください。

増改築のリフォームはプロにおまかせを

増改築を始めとしたリフォームにはさまざまな制限が設けられています。また、地域ごとに異なる制限が設けられているケースもあり、建物の状況などによっても異なるのも事実です。

リフォームを視野に入れた中古の戸建て物件の購入をお考えの方はぜひ一度弊社までお声がけください。スタッフが一つひとつ丁寧に大切なポイントを解説します。