「中古の戸建住宅だから耐震性が不安」と感じてしまう人も少なくありません。長く住む予定のお家だからこそ、安全性がしっかりと担保された住宅にしたいですよね。

耐震性に不安のある中古の戸建て住宅でも、耐震化リフォームを取り入れば安全性を確保することが可能です。

この記事では、耐震性の問題や耐震補強の基礎知識について、基準などを徹底解説します。

中古の戸建住宅は耐震性に問題がある?

日本は地震大国としても知られており、建物の耐震性が重要視されています。耐震基準などは国により定められていますが、近年制定された耐震基準と、昔に定められた耐震基準とでは大きな違いがあるのも事実です。

日本ではじめて耐震性の設計基準が設けられたのは、建築基準法が制定された1950年。それ以前の中古住宅では、現在の耐震性基準を満たしているケースが少なくなっています。

木造住宅のターニングポイントは「2000年基準」

特に、木造住宅の耐震性におけるターニングポイントが「2000年基準」です。

2000年6月1日以降に建築された戸建住宅などは、すべて2000年基準が適応されているため、優れた耐震性を誇っています。たとえば、熊本地震で旧耐震基準の中古住宅が28.2%倒壊したのに対し、2000年基準の中古住宅ではわずか2.2%まで被害を抑えられています。

言い換えれば、それ以前に建築された木造住宅などは耐震性にいくつかの不安要素が残ってしまう面も。

中古の戸建住宅を購入するとき、耐震性に不安を覚える方は原則2000年6月1日以降に建設された物件がおすすめです。2000年基準を満たした賃貸物件なら、優れた耐震性を持ち合わせています。

中古の戸建住宅が抱える耐震化の問題

一定基準以前に作られた中古住宅だからといって、耐震性を補強できない訳ではありません。近年では”耐震化”のリフォームが重要視されており、耐震性のない中古住宅に優れた耐震補強工事を施せば、現行法の耐震性を満たすことができます。

国土交通省では2025年までにほとんどの建物へ耐震性を取り入れるよう、さまざまな取り組みが行われています。一方で、法改正以降に建てられた中古住宅でも耐震性を満たしていないケースがあるのも事実です。

平成25年時点では全体の耐震化率は82%と、約20%近くの物件が耐震化に取り組めていない現状があります。

”耐震化”で使われる3つの仕組み

耐震性能は、必要に応じて内部まで調査する「精密診断法」と、目視による「一般診断法」の2つがあります。中古の戸建て物件における耐震性能は「経年劣化の具合」「間取りなど壁の配置」「壁本体の強さ」などによって定められます。

しかし、近年では「建材などに揺れに耐えられる素材」をただ使うのではなく、工夫された構造によって地震のエネルギーを逃すような仕組みが登場しているのも事実です。

ここでは、「耐震」「免震」「制振」といった耐震化における3つの仕組みの違いについて解説します。

耐震:倒壊しないよう耐える仕組み

耐震とは、頑丈な建材を用いて住宅を建築し、揺れそのものに耐える仕組みです。地震の揺れによるエネルギーが家に伝わるため、家全体も激しく揺れます。しかし、頑丈な建材によって倒壊を防ぎやすくなり、多くの耐震化物件で取り入れられている手法です。

免震:倒壊しないよう揺れを逃す仕組み

免震とは、建物と地盤の間に特殊な装置を介入させ、揺れが建物に伝わりにくくする仕組みです。地震の揺れによるエネルギーが家に伝わりにくくなるため、家全体も揺れにくくなります。家具などが倒れるリスクなども減らせるため、室内被害を抑えられる点がメリットです。しかし、台風などの強風が吹くと、家のなかで揺れを感じるケースがあります。

制振:倒壊しないよう揺れを吸収する仕組み

制振とは、建物に専用のおもりなどを搭載し、揺れのエネルギーを吸収して建物全体の被害を抑える仕組みです。高層ビルなど階層の高い建物に取り入れられるケースが多く、一般家庭ではあまり見かけられません。制振装置がエネルギーを吸収してくれるため、建物の建材にダメージが行きにくくなっています。

中古の戸建住宅に耐震化を取り入れるならプロに相談を!

地震が来たときの不安などを拭い去りたいときは、プロによる「耐震リフォーム」を取り入れるのもポイントです。中古の戸建住宅でも、プロによる耐震リフォームを実施すれば、優れた耐震性を確保できます。

ただし、特にここ沖縄は台風を始めとする強風を踏まえたうえで耐震化に取り組む必要があり、「耐震構造」などのリフォーム・リノベーションが主流です。強風のあおりで家の揺れを感じてしまう「免震」などの耐震化には手を出しにくくなっています。

耐震構造による耐震リフォームを行う際は「筋交い」と呼ばれる部材を柱と梁の間に設置し、耐震性を確保します。また、建物全体の状況を踏まえたうえで壁の補強やバランスを見極める必要もあり、既存の建材にシロアリ被害等がないかあらためて見直す作業も大切です。

耐震構造を取り入れた中古住宅をお探しの場合は、お気軽に弊社スタッフまでご相談ください。お客様のご相談に沿った物件探し・リフォーム業者探しを徹底的にサポートさせていただきます。