賃貸住宅に備え付けられているエアコンが故障した場合、多くの入居者が「修理費用はどうなるのか」と不安に思うことでしょう。エアコンの修理費用は入居者負担なのか、それとも大家負担なのか。この記事では、賃貸住宅のエアコンが故障した際の修理費用の負担について解説します。併せて、故障したかどうかの確認方法や、対応のポイントもご紹介します。

エアコンが不調？先にチェックすべきポイント

故障した賃貸のエアコンを直ちに修復したいと考え、自ら業者に修理を依頼してしまう方もいます。しかし、賃貸住宅のエアコン故障は原則として無償で修理を受けられます。

ただし、特定の基準をクリアしない場合は、修理を無料で受けられない点にご留意ください。無償でエアコンの修理を得るためには、次の2点を確認しましょう。

先ずは大家や管理会社に連絡を

エアコンが壊れたら、まず大家や私たち不動産管理会社に知らせることが重要です。事前の連絡なく修理を外部業者に委託してしまうと、その費用は自己負担になります。

修理費用を負担したくないなら、大家や私たち不動産会社に連絡し、指定された業者に修理を依頼する必要があります。

”残置物”でないことを確認

残置物とは、前の入居者から残された備品です。賃貸住宅のエアコンが無償で修理されるためには、「備え付けの設備」であることが条件です。もし備え付けならば、大家の財産と見なされ、トラブルがあった場合は、修理や交換を相談することができます。

逆に、残置物であるエアコンが壊れた場合は、修理やメンテナンスの費用は入居者の負担になるので、この点は特に注意が必要です。

賃貸住宅でのエアコンの勝手な修理は避けましょう

賃貸住宅のエアコンが故障した場合でも、勝手に修理や交換をすることはおすすめできません。

多くの賃貸住宅の管理会社は、特定の業者と提携しています。勝手に他社に依頼すると、高額な修理代を請求される可能性があります。

また、事前相談なく交換・修理を行うと、後で大家さんから修理費の請求を受けるケースもあります。大家さんにとっても対応が難しくなるでしょう。

賃貸住宅の備え付け家電は、故障時は基本的に大家さん側で修繕するものです。

緊急でない限り、まずは大家さんや管理会社に相談し、了承を得てから業者を手配することをおすすめします。

円滑な対応のためにも、賃貸住宅での勝手な家電修理は避けることが賢明だと言えるでしょう。

エアコンが壊れたときのチェックリスト

賃貸のエアコンに不具合が生じた場合、備え付けであれば、修理や交換は大家や管理会社が担当します。しかしながら、「故障したと思ったら単純な問題だった」ということもよくあります。

以下にエアコンの不調を感じた際のチェックポイントをお伝えします。

リモコンが機能しているか

多くの場合、エアコンの問題はリモコンの電池の消耗や故障に起因します。リモコンが反応しないことにより、エアコンが動かないと誤解することも。まずは電池を交換し、リモコンの動作を確認しましょう。

室外機の状態確認

室外機の周囲に物が多すぎると、適切に熱を放出できず、効果的な冷房ができなくなることがあります。室外機の近くが整理されているか、また直射日光に晒され過ぎていないか確認してみてください。室外機に日陰をつくる工夫も、効率良い冷却を促します。

沖縄特有のトラブル：ヤモリに注意

沖縄での室外機のトラブルには、ヤモリが原因となることがあります。暖かくて暗い室外機は、ヤモリが好む場所で、彼らの侵入が故障の原因となることも。室外機を定期的にチェックし、ヤモリが侵入しないよう対策をしましょう。

霜取り運転を理解する

沖縄では珍しいですが、寒冷地では「霜取り機能」を持つエアコンが一般的です。冬場における一定の低温環境では、エアコンが霜取り運転を行うことがあります。このモードでは、一時的に温風が出ないことも。冬場に暖房が効かない場合は、霜取り運転が完了するまで待ち、その後の動作を確認してください。

エアコンの修理依頼ではこの点に注意

万が一、エアコンの故障が明らかな場合は、大家さんや管理会社へ速やかに連絡しましょう。その上で、以下の2点に注意しつつ対応してください。

• ・故障原因が入居者の過失によるものかどうかを正確に伝える
• ・修理ではなく買い替えが必要になる可能性もあることを覚悟する

入居者の過失で故障した場合、修理費用の一部負担を求められる可能性があります。また、修理費用がかさんだり、部品が手に入らなくなったりした場合は、新品への買い替えが必要になることも。あらかじめ覚悟しておくことで、思わぬ出費に苦労することはないでしょう。

エアコンの修理では、大家さんとの信頼関係が鍵に

エアコンの修理や買い替えには多額の費用がかかる場合があります。入居者と大家さんが信頼関係を築いているかどうかが、円滑な対応につながります。

日頃から大家さんとのコミュニケーションを大切にし、苦情や要望があれば素直に伝えるようにしましょう。そうした信頼関係があると、トラブルが発生した際にも相手の立場に立った柔軟な対応が期待できます。エアコンの修理に限らず、賃貸住宅でのトラブル解決の鍵は大家さんとの信頼関係といえるのではないでしょうか。

エアコン故障の際は大家さんと連携を

以上、賃貸住宅のエアコンが故障した場合の修理費用の負担と対応のポイントをご紹介しました。備え付けのエアコンであれば原則大家負担で修理可能ですが、入居者の過失などの場合は費用負担の可能性も。エアコンの故障に限らず、賃貸住宅でのトラブルは大家さんとの信頼関係が大切です。他に賃貸物件のお困りごとにつきましては、当社スタッフまでお気軽におこえがけください。